2018年12月に「新4K8K衛星放送」が開始されました。
ここでは、BS放送衛星の4K/8K放送について、ご説明したいと思います。
4K8K(ヨンケイハチケイ)
何で4K/8K呼ばれるか、ご存知でしょうか?
4K/8Kは、画面の水平画素数を示しています。
4K画面の画素数は、水平3840×垂直2160で、この水平画素数3840を約4000として、「4K」と表現している訳です。4KのKはキロで、1K=1000のことです。
8Kは、水平7680×垂直4320で、水平7680は約8000として「8K」となっています。
現行の地上デジタル放送を「2K(二ケイ)」と言ったりしますが、フルハイビジョンは水平1920×垂直1080で、水平画素数1920を約2000として「2K」です。
4K8Kの特徴【映像】
映像の特徴は、5つです。
① 解像度 約800万画素/約3300万画素
解像度は、画素数を示します。
4K放送は、約800万画素(水平3840×垂直2160=8,294,400画素)で、現行の2Kと比べて4倍です。
8K放送は、約3300万画素(水平7680×垂直4320=33,177,600画素)で、2Kのなんと16倍です。4Kと比べると4倍。
※2K放送 約200万画素(水平1920×垂直1080=2,073,600画素)
200万画素、800万画素、3300万画素
なんか「キン肉マン」の「超人パワー」を思い出すのは、私だけでしょうか…
② 色域 BT.2020
表現可能な色の範囲が大幅に拡大し、より「実際に見える色」に近い表現が可能となりました。
従来のBT.709(Rec.709)から、4K/8K放送ではBT.2020(Rec.2020)は、よりも大幅に広い色域をカバーしています。
③ フレームレート 60p/120p
フレームレートは、1秒間に何枚の絵を表示するかを示しています。
4K放送は秒間60コマがプログレッシブ方式で「60p」、さらに8K放送では秒間120コマの「120p」が可能なので、スポーツ等の動きが早いコンテンツも滑らかに映像が表示できます。
※現行の2K放送はインターレス方式「60i」ですが、「30p」として換算
④ ビット深度 10ビット
量子化ビット数が、8ビット(256階調=2の8乗)から10ビット(1024階調=2の10乗)に向上しましたので、たくさんの色が表示できるようになりました。
8ビット表示の場合は約1677万色、10ビット表示の場合は、約10億7374万色もの色を再現可能です。
※8ビット→RGB:256階調×256階調×256階調=16,777,216色
※10ビット→RGB:1024階調×1024階調×1024階調=1,073,741,824色
これにより、色や明るさの変化がなめらかになり、より自然な映像となります。
⑤ 輝度 HDR
HDR(High Dynamic Range)技術によって、映像で表現できる明るさの範囲が大幅に拡大しました。
SDR(Standard Dynamic Range)と比べてHDR技術によって、日影の黒つぶれ、日なたの白とびのどちらの映像も、黒つぶれ・白とびすることのない映像表現が可能です。
映像 5つの特徴のまとめ
4K/8K放送の特徴のまとめです。
② 色域 → 実際に見れる色に(BT.2020)
③ フレームレート → 動きが滑らかに(60p/120p)
④ ビット深度 → 自然なグラデーション(10ビット)
⑤ 輝度 → 明暗の範囲が拡大(HDR)
4K8Kの特徴【音声】
最大22.2chのマルチチャンネル音響が可能です。
22.2chの音響システムは、上層(9ch)、中層(10ch)、下層(3ch)と重低音専用チャンネル(0.2ch)で構成されます。
新4K8K衛星放送は、映像の高画質化に力を入れたため、音声の特徴が少ないという意見もあります。確かに総務省の情報サイトで見ても、映像の魅力は紹介されていますが、一方で音声に関する情報(22.2chの件等)は記載がありません。